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パルマFCの凋落。その中に見た一つの光。

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先日、元日本代表の中田英寿氏が在籍をしていた事もある、セリエAのパルマFCというチームに破産が言い渡されました。過去に輝かしい栄光があるにもかかわらず、どうしてそうなってしまったのかを、簡単ではありますが振り返っていきます。そして、希望の光とは一体何か。
初めてのサッカーネタで緊張していますが、最後まで読んでいただけると嬉しく思います。

イタリアサッカーセリエA

イタリアサッカーのプロリーグであるセリエA。
一時期は世界最高のサッカーリーグとして君臨していたが、ここ何年かの凋落っぷりは酷いものである。かつての栄光が嘘のように、セリエA自体が、ヨーロッパの中で存在感を失ってきている。

そんな私もイタリアサッカーのファンである。
現在では、スペインやイングランド、ドイツのサッカーファンが多いと思います。
ですが、イタリアサッカーにはイタリアサッカーの良さがあると思います。そして、またいつか、かつての栄光を取り戻してほしい。と思いながら応援をしています。

小さい頃は、ACミランが好きでした。ファンバステンに憧れていた。
今現在は、ナポリを応援しているのですが、今シーズンも中々勝てきれず。CL圏内にはなんとか残れるように頑張ってほしい。

先ほど名前が出たACミランには、現在、日本代表の本田選手も在籍をしているので、ご存知の方も多いでしょう。

他にも長友選手が在籍するインテル。そして現在イタリア王者のユヴェントス。好調中のラツィオやサンプドリア。中位のフィオレンティーナ。古豪トリノはリーグやELで健闘しています。

パルマFCとは

聞く名前こそ、一昔前と変わりありませんが、今一つのあるチームが崩壊の危機を迎えている。そのチームこそが、パルマFC。

パルマFCは、イタリアのパルマ市を本拠地とする。以前はACパルマと言う名前でしたが、2003年に親会社のパルマラットが倒産。そして、その後に、今回の元凶となったギラルディが、パルマの新会長になり、名前もパルマFCとなりました。

元日本代表の中田選手が在籍をしたので、日本でも馴染みのあるチームではないでしょうか。世界的に見ても、パルマには、数多くの名プレイヤーも在籍していました。

ブッフォン、カンナバーロ、テユラム、ゾラ、アスプリージャ、クレスポ、フェルナンド・コウト、ディノ・バッジョ、ベロン、オルテガ、キエーザ

オルテガやブローリンやミクー、モルフェオ、カッサーノと言う個性派選手もいましたね。
下の写真は97-98シーズンのパルマ

パルマFCの破産

サッカーチームの歴史としては、そこまで長くはないものの、新鋭チームとしてヨーロッパやセリエAで結果を残していました。しかし、これも、もはや過去の栄光。2015年3月19日、ついに破産通告がくだされました。

経営難に直面しているサッカーのイタリア1部リーグ、パルマが19日、破産宣告を受けた。

引用元:伊サッカー1部リーグのパルマ破産…会長ら逮捕 : スポーツ : 読売新聞(YOMIURI ONLINE)

今後、新しい買い手が見つからない場合は、アマチュアリーグから出直しとなるようです。もし、買い手が見つかった場合には、二部リーグにあたる、セリエBに残る事が出来ます。

パルマは19日、破産宣告を受けたことを公式サイトで発表した。『ガゼッタ・デッロ・スポルト』によると、負債総額は2億1844万6754.61ユーロ(約281億円)。

残り試合はすべて没収試合となり、0-3での敗戦扱いとなる見込み。来季については、スポーツ面の負債である7436万912ユーロ(約95億円)を返済できれば、来季セリエBへの参加が認められるというが、これが出来なければ、アマチュアリーグへの降格が決まる。

引用元:

名門の凋落…パルマの破産が決定 負債総額は281億円 | ゲキサカ[講談社]

 負債額は驚きの、約281億円!!この負債を抱えられる人は果たして居るのでしょうか。セリエBに残るのに、95億円だって十分に高い!!それにしても、残りの試合が没収試合になってしまうのは選手やスタッフ、ファンとしても悲しいでしょうね。

【2015/6/23追記】その後の試合も全て行なわれました。先行きの見えない中奮闘していました。

そもそも、なんでこうなってしまったのだろうか。

パルマFCの凋落を振り返る

14-15シーズンの結果は6位と中位につけてEL(ヨーロッパリーグ)への出場権も手に入れた。久しぶりにパルマが蘇ってきた!と私も感心していたのですが、その後、税金の支払の遅れにより、EL出場資格が剥奪されてしまいます。

これに怒ったギラルディ会長は、運営から離れ、パルマFCを手放す事に。しかし、パルマFCは中々売れずに、ギラルディ会長がまた経営に戻る。

そのまま、新シーズンが始まる事となったのですが、今度は給料の未払いが発覚してしまいます。もしという言葉はあり得ないかも知れませんが、ELに出ていれば、金銭的に用意出来る見込みはあったのかも知れませんね。

そんなこんなで、2014年12月に、クラブの売却がやっと決まりました。

ギラルディ会長はロシア・キプロス系の石油産業の企業グループとの間でクラブ売却の合意に達し、選手たちにもその旨が伝えられたとのことだ。売却額はメディアにより「500万ユーロ以上」あるいは「700~800万ユーロ」などとされている。

引用元:パルマの売却が合意、ギラルディ会長退任へ - Goal.com

しかし、この企業グループも謎だらけの。会長が誰なのかも明かされなまま、財政問題は解決出来ずに、二ヶ月後の2015年2月にはクラブを売却してしまいます。

パルマは9日、クラブの公式ウェブサイトでの声明で、ジャンピエトロ・マネンティ氏がクラブを買収したと発表した。同氏がオーナー兼会長となっている。財政難に苦しむパルマは、今季2度目のクラブ売却となった。

この報道は事実だったと確認された。クラブが2度目の売却を認めたからだ。旧経営陣の一人であるマッシモ・ドカ氏は、買収額が1ユーロだと明かしている。イタリアメディアが伝えた。

引用元:

パルマの混迷終わらず、今季2度目のクラブ売却 買収額はわずか134円? - Goal.com

なんとその金額は、1ユーロ 約134円という驚きの値段。もちろん負債付き。しかし、この新会長のマネンティ氏もいわくつきの人物。経営する企業は実態がほとんどなく、事務所も普通の家の二階だったとか。
ここでも、負債や給料は支払われず、ついには、クラブの備品は差し押さえられ、競売にかけられる事に。もはや、試合も出来ない状態になってしまったパルマ…過去に輝いていた面影もありません。

クラブの備品はすでに管財人によって差し押さえられており、22日に予定されていたウディネーゼ(Udinese)戦も、開催費用を捻出できなかったため、やむなく延期となっている。
引用元:資金難のパルマ、3月19日に破産宣告か 写真1枚 国際ニュース:AFPBB News

キャプテンのアレッサンドロ・ルカレッリが言うには、洗濯も自分達でやることになるとか。もはやアマチュアチームのようになってしまったようです。かなりシュールな状況です。

「何か知らせはあるか? 大きなニュースはない。あるのは、もう洗濯してくれる人もいなくなったということだけだ。業者が受けてくれなくなったからね。たぶん、明日から僕らは(洗濯物を)自宅に持ち帰ることになるだろう」

引用元:

パルマ、ついに洗濯も選手たちが自らの手で ロッカールームのベンチは競売に - Goal.com

選手も働いていたスタッフも、大変だったのでしょうね。給料は出ない。試合は出来ない。試合は出来ても、行き先の見えない暗闇。

 

そして、3月19日に破産勧告。その前日にマネンティが逮捕されます。

イタリア・セリエAのパルマ(Parma FC)が経営難で破産の危機に陥っている問題で18日、クラブの会長を務めるジャンピエトロ・マネンティ(Giampietro Manenti)氏ほか21人が、マネーロンダリング(資金洗浄)など複数の容疑で逮捕された。

引用元:パルマ会長ら逮捕、資金洗浄など複数の容疑で 写真1枚 国際ニュース:AFPBB News

イタリアサッカー界の闇なのか

上記がパルマ凋落の一連の流れ。更に元を辿れば、ギラルディ会長が、セリエAのチームとしての経営を出来ていなかった事にはじまったのですが。移籍市場一覧を見ていても、あきらかにおかしな状況が見てとれました。加入、放出合わせて、ゆうに、50は下らなかった。

一部のニュースでは、マネンティ氏はスケープゴートにされただけで、裏には何ものかが潜んでいると言う噂も。最初の会長であったギラルディ氏からマネンティ氏への売却の一連の流れ自体を、誰かが操っていたのではないかという憶測もあります。これは、イタリアサッカー会に蔓延る闇の一部であって、更なる問題を生む可能性を秘めている、と言う現地の記者も。

サッカークラブが、財政難になり、クラブを手放す事は今までにも何度もありましたが、まさかシーズン途中でこんな状況になるとは思いませんでした。この先パルマはどうなってしまうのでしょうか。来シーズンはセリエBに残れるのか、それともアマチュアチームからの出直しか。今後も注目をしていきたいと思います。

最後に良い話。

クラブの備品がオークションにかけられて、実際に販売されたそうです。その中にはベンチもあったようなのですが、その買い手とは。

先月25日には、クラブの資産が押収されて競売にかけられることも明らかになった。ドレッシングルーム内で使用されていたベンチが売りに出されることも、クラブの深刻な状況を象徴する事態の一つと捉えられていた。

だが、チームを救うため少しでも力になりたいと望んだ3人のサポーターの行動が脚光を浴びている。『ガゼッタ・デッロ・スポルト』などイタリア複数メディアの報道によれば、3人のパルマサポーターがこのベンチを1400ユーロ(約18万円)で落札し、すぐにクラブに返却したという。

3人は知らなかったことだが、競売にはパルマのメディカルスタッフの一人であるダレッサンドロ医師も参加して自らベンチを買い戻そうとしていたとのことだ。ベンチは落札できなかった同医師だが、その他の備品など数点を落札してクラブに戻したと報じられている。

引用元:

愛するクラブのために…パルマサポーターがベンチを落札しクラブに返却 - Goal.com

名門チームの凋落という、暗い話の中に生まれた、一つの明るいストーリーに心温まりました。会長はともかくとして、人々に愛されるチームだったんですね。
この後に破産を迎えてしまったのですが、チームを愛する人々の応援はこれからも続くのでしょう。

セリエBからならもちろんの事。たとえ、アマチュアリーグからのリスタートとなってしまっても、またセリエAの舞台に戻ってこれるように、頑張ってほしいです。

 最後までお読みいただきありがとうございます。感謝。